捻挫とは?

捻挫とは?

 

捻挫とは、骨と骨の間に急激なねじれ、あるいは激しい外力によって発生する関節を包む関節包や骨と骨をつなぐ靱帯の損傷を言います。また、靭帯や関節包の他に、関節周辺の関節軟骨、半月板、関節円板、椎間板、関節唇、関節を通過する筋や腱などが損傷されることがあります。

 

つまり、関節にその許容範囲を超えた力が加えられた際におきる損傷の中で骨折や脱臼以外のものが捻挫と呼ばれます。


病院などの医療機関では、痛めた組織や部位により○○靭帯損傷などの診断名で呼ばれることもあり、交通事故でのムチウチ損傷やいわゆるギックリ腰も頚椎捻挫や腰椎捻挫と呼ばれます。


全身の様々な関節に発生するおそれがありますが、とくに足首や手首、指などに多くみられます。

 

捻挫の症状

捻挫の症状

 

捻挫の主な症状は、損傷の程度により関節の痛みや腫れ、熱感、内出血、機能障害、関節がグラつく感じ(不安定感)などがあらわれます。

これら症状は一般には損傷の程度と一致しますが、痛みを感じにくい部位もあるため自己診断には注意が必要です。

 

捻挫は損傷の程度により3つに分類されます。

 

【1度】

靭帯に軽微な損傷がある状態。

痛みや腫れも少なく、機能的な障害も軽く、関節に不安定感がないもの。

 

【2度】

靭帯の一部が断裂している状態。

痛みや腫れ、機能的な障害、関節の不安定感があるもの。

 

【3度】

靭帯が完全断裂している状態。

痛みや腫れが強く、機能的な障害、不安定感が強いもの。

靭帯の完全断裂が発生すると脱臼となることがあります。

 

捻挫の応急処置

捻挫の応急処置

 

捻挫の応急処置は

RREST(安静)

IICE(冷やす)

CCOMPRESSION(圧迫)

EELEVATION(挙上)の

RICEが基本です。

 

①RREST(安静)

関節の支持性や損傷した組織が回復するまで、患部の安静のために、その損傷に応じてシーネやギプス、包帯、テーピングなどで固定し、関節の運動を制限します。

ただし、必要以上の長期安静固定は関節などの可動域制限を招き治療期間が長期化する恐れがありますので注意が必要です。

 

②IICE(冷やす)

痛みの軽減、腫れや内出血などの炎症を抑えるために、患部やその周辺を氷などで冷やします。負傷後、早急に冷やすことで、腫れを抑えることができます。腫れは痛みの原因になりますので、患部を冷やすことが捻挫の症状を抑えることに効果的です。

1520分を目安に冷やし、一度冷やすことを止めて、再び痛みが出てきたら再度冷やすことを繰り返します。ただし、冷やしすぎると凍傷を起こしますので注意が必要です。

 

③CCOMPRESSION(圧迫)

腫れの原因となる内出血を抑えるために、患部を包帯やテーピングなどで圧迫し、血液の流れを止めて腫れを抑えます。ただし、過度な圧迫はよくありませんので、適度な圧にて圧迫することが大切です。

 

④EELEVATION(挙上)

腫れや内出血を抑えるために、患部を心臓より高い位置に挙げておきます。ベッドなどで寝た状態で、患部を高く上げます。布団やクッションなどを利用して、心臓よりも高い位置になるよう、調節します。約24時間を目安に患部を心臓より高い位置に挙上しておきます。

 

また、近年では『RICE』にP:保護(Protect)とS:安定/固定(Stabilization/Support)を加え『PRICES』を使うこともあります。

 

捻挫の治療

捻挫の治し方

 


捻挫では、早期に適切な治療を行えば手術が必要になることは稀ですので、基本的に手術を行わない保存療法が行われます。


保存療法は、シーネやギプスなどによる固定療法、運動療法、物理療法、薬物療法(湿布等)などを症状に応じて行います。患部の固定は損傷の程度により数週間行います。


運動療法は、捻挫の固定を行った後、サポーターなどで運動を開始し、患部に負担のかかる動作を抑えながら積極的に回復させるリハビリ方法です。運動療法は、関節補強の為の筋力がつくまでの間行います。


自宅で行える運動メニューを作成してもらい自宅でリハビリを行うことも大切です。同時に関節が正常な範囲で動かせるように関節可動域訓練を行います。

 

重度の靭帯損傷を伴う場合や運動選手などの活動性の高い人には手術による靱帯形成術や靱帯縫合術などが行われる場合があります。

 

捻挫 くせになる

 

捻挫などのケガでは数か月すると強い痛みや腫れが少なくなり、日常生活に支障がなくなることもありますので、軽傷と扱われやすく早期に適切な処置がなされないことも少なくありません。


しかし、無理にスポーツや仕事を行うなど、早期に適切な処置がなされないと、機能障害や関節可動域制限、関節の変形などの後遺症が起こることや治療期間が長期化することがあります。

また、関節周辺の組織が元の状態にもどらず『捻挫がくせになる』というような状態になり、同じ部位の捻挫を繰り返すことも少なくありません。そのため、関節を痛めてしまった場合は放置せずに適切な応急処置行い、状況に応じて関節を固定し、全治、完治を目指してしっかりとしたリハビリなどを行うことが重要です。

 

外力が強さや力の加わり方によっては、骨折や重篤な靭帯断裂の可能性がありますので、自己判断せずに早期に応急処置を含めた適切な処置をすることをお勧めします。